2009-04-23
タクシードライバー1
先日。仕事で終電を乗り過ごしたので、新宿からタクシーを使って自宅に帰ろうと路上に出た。
星の数ほどいるタクシーのなか、1台の流しのタクシーを拾う。
上野まで。
というと運転手の動きがハタと止まる。
聞こえてなかったのかと思って、再度、
上野までね。
と重ねて言うと、
了解しました。
と訛りのある口調で答えて、車は動き出した。
たまにタクシーに乗ると、とりあえず「景気はどうですか?」と言って、話しかけるのだが、この日は疲れていたのもあって、ぼんやり黙って車窓を眺めていた。
すると、少しして、運転席から、
うえの、うえの・・・。
と呟くような独り言が聞こえた。
何か上野を知らないかのような、拙い口ぶりだ。
しかし、都心を流すプロのタクシードライバーが新宿-上野間のルートを知らないはずはないだろう。そう思って、聞き流した。
ところが、車は、飯田橋のあたりで、上野方向とは真逆の方向に曲がろうと車線変更を行った。
ドライバーによって、多少のコースの違いはある。ルートによっては、1メーター分くらい値段が高くつくこともあるが、大体はスルーしてドライバーに任せたままにする。
しかし、左に曲がらなきゃいけないのに、右に曲がるルートはさすがにない。
運転手さん、逆!逆!!
と叫んで、正しい方向に誘導する。
すいません、すいません。
と謝る運転手。
そこで、初めて俺は聞いた。
運転手さん、上野までの客は乗せないの?
すると、運転手は運転中だというのに、グルッとこちらを振り向いて、
すいません。始めて1ヶ月なんです。
と答える。
年の頃、40代半ば。何か別の仕事を廃業したのだろうか。
それにしても、訛りがきつい。
出身地を聞くと、会津だという。
そりゃ、簡単には東京の道は覚えられないだろう。
そう思って、話を続けるが、このドライバー、いちいちこちらの質問に、顔を向けて話し返してくるのだ。
礼儀正しいといえばそうだが、走行中にすることじゃない。普通、ドライバーといえば、視線すらもなるべく合わせないように、バックミラー越しに話しかけるのが常だが、珍しいというより、危ないことこの上ない。
そう思って、軽く注意すると、ドライバーは卑屈なくらいに謝って、運転に集中しようとする。
ほんの10数分の出来事だが、このあたりで俺は、だんだんこのドライバーが憐れに思えてきた。
しかし、どこか自分を見ているような気になってきたので、とにかく優しい口調で話を続けることにした。
(無駄につづく)
















コメント
これに続きがあるってことがうける(笑)
2009/04/24 0:03:57 | つかさ
>>つかささん
続けるつもりだったんですが、1日空けたら面倒なので、ないかも。。
2009/04/25 14:55:36 | キャバクラ独眼鉄
俺はつづきが読みたいです!!
2009/04/25 15:14:29 | ちゃー
続くと言いながら、続かないパターン?
2009/04/25 22:45:02 | あるごん
すんません!
最近アル中に進行してしまって、記憶がすぐに欠落してしまうために、やっぱり続かないです。
代わりにもって面白いこと書きます!
2009/04/29 18:06:54 | キャバクラ独眼鉄