2010-04-17
まさかの遭遇
昨年のことだが、歌舞伎町の飲み屋街のビルでばったり親父と会ったことがある。実の父親である。
親父は若い女を連れていた。
どんな関係かまでは聞かなかったが、なかなかのべっぴん素人娘で、還暦間近でありながら、やるじゃないかとある意味尊敬した。
しかし、なかなか歌舞伎町の真ん中で肉親に会うなんて偶然は、滅多にないはずである。少なくても、そう思っていた。ある事件が起こるまでは---。
先日。
腐れ縁の知人のTという男と、“歌舞伎町の楽園”ギラギラガールズに飲みに行ったときのことだ。
はっきり言って、こんな店に通うようなヤツは、ロクなヤツはいないと思う。
俺のような生まれもって徳の高い人間は別にして、どいつもこいつも裸同然に踊っているようなビッチたちにハマる男である。しょせんノータリンであることは間違いない。
まして、アホみたいなテンションでありながら料金的に安い店であるから、客層は20代から30代がメイン。40才を越えた客はちょっと恥ずかしい。50代以上で通う人間がいたら、正直、歩んできた人生を疑う。
そんな店で、イギリス紳士のような佇まいで飲む俺とは対比的に、Tは、水着の女の子の半ケツを眺めながら、エロい視線でギャルたちを視姦しまくる。
そのTが、突然顔を伏せたかと思うと、それから、その顔をあげなくなった。
いつも透かした態度で仲間を貶めてでも自分のポジションを上げて美味しい思いをしようと企むTが、一体どうしたのか?
また、何か卑猥な悪巧みでも考えているのか?
俺は、心配になって、尋ねた。
すると、Tは、そのまま顔も上げずに、顔を硬直させたまま凍える声で、こう言った。
「親父がいる」
俺は、彼の言葉の意味をすぐには理解できずに、聞き直した。
そら、こんな店なんだから、客の半分はいい親父だろうに。
そう言ったが、Tは首を振って答えた。
「違う。実の父親だ」
俺は、驚いて聞き返した。
「Daddy?Real Daddy?」
Tは、いつにもまして真剣な表情で、頷いた。
「What A Hell!」
俺は思わず叫んだ。
叫んだついでに、なんてこったいと立ち上がる俺を、必死で防御しようとするT。
「頼む!やめてくれ!こっちに注意を向けないでくれ」
彼のこんな真剣な表情と態度は見たことがない。
幸い、そこそこ広い店内に大勢の女の子と客が溢れる状況から、彼の父親のほうは息子の存在に気が付いていないようだ。
普段は真面目で、決して飲み歩いている様子さえも見せないのが彼の父親だそうだ。
そんな親父がいま、目と鼻の先にいる。
しかもギラギラガールズという、「肉親に会いたくない世界のスポットベスト10」に入るようなところで出会ったわけだ。
それにしても、俺はまさかと思った。
ギラギラガールズの女の子の平均年齢は21歳(推定)。
自分の娘よりも若い女の子の水着姿に半勃起しながら、セクハラする父親の姿は、死んでも見たくない。
そんな親父と出会ってしまったら、思わず軽蔑してしまうだろう。
こんな漫画のような偶然が本当に起こり得るのか?
俺は再度確認した。
見間違いではないのか?
本当にあの向かいにいる男の精子からお前は生まれたのか?
Tは顔をあげずに、頷いた。
「実の父親だぞ。見間違えるはずはない」
インディアン並に嘘がつけないピュアなハートの俺と違って、女を口説くためなら嘘八百も辞さないTだが、どうやら今回ばかりは本当のようだ。
OH! My God!!!!!
俺は、神に祈った。
こんな不幸があっても良いものか。
部下と思しき男と一緒に、良い年こいて、普段の真面目面の仮面を外して、はしゃぎまくる父親。
それを横目に、自分の存在がバレないように必死に顔を隠す息子。
悲しい。
遺伝子を授けた男と受け継いだ男二人の、悲し過ぎる光景である。
俺は、思わず泣きそうになりながらも、先輩として挨拶の一つでもしなければならないと思い、ボーイに、
「あの向かいの席の紳士にビールを一杯おごってやってくれ」
と告げたが、それを横で聞いていたTが本気で、
「頼むから勘弁してくれ!」
と泣きを入れてくる。
なんだよ、人の好意を迷惑そうにしやがって。
そう思ったが、ここは違うアプローチを行うことにした。
通い続けること3ヶ月。散々チップをばらまき、無駄金使ってきただけあって、店内の女の子を諜報員にし立てあげることはたやすい。
そこで顔見知りの売女系キャストに、
「ちょっとあの席に行って、『Tさん』と呼びかけてもらってくれないか?」
と要望を出した。
不思議がる女の子には、「彼のダディーと仲良くしたいんだ」と告げた。
すると、そのキャストが、
「あ!あの席でわたし、場内指名もらったよ!」
となかなか面白いことを口にする。
誰だ?
ダディーか?
その部下か??
ワクワクしながら確認したが、残念ながら、その指名は彼の父親のものではなかった。彼の父親は、誰にも指名は入れていなかったようだ。
その後、一足お先に、息子の存在に気が付くことがなく、満面の笑みを浮かべて、帰宅の途についたTの父親。
Tはホッとしたように口を開いた。
「指名が被ってなくて良かったよ」
彼の心からの安堵であろう。
俺は、黙って彼の背中をポンと叩いた。
男同士、言葉のいらない瞬間だったーーー。
















コメント
実の父親と遭遇ですか…
実の兄を連れて行こうと企んでるわたくしはどうなのでしょうか。
2010/04/20 19:37:56 | ちむお
先ほどギラギラより帰還しました。 7時に入ってガラガラ 9時には列が出来てます。4人で行き、優秀な2人はついていけず帰る始末。
僕と行き慣れた男はケツさわりまくり言う通りろくな男しか喜べない様ですがやっぱり、楽しい。
2010/04/20 23:55:45 | ポカリちゃん
>>ちむおさん
ご一緒します。誘って下さい。
>>ポカリちゃんさん
初めまして。(ですかね?)
今度は是非ご一緒しましょう!
2010/04/21 12:19:54 | キャバクラ独眼鉄