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恐ろしい。。

カレンダーを見て驚いた。

気が付かなかったが、今年はもう後1ヶ月しかないのだ。

新宿の南口を歩くと、恒例のライトアップ。

カップルが大挙して歩いている。

今年も恋愛の“れ”の字も体験せぬまま終わりそうだ。しゃーないけど。

しかし、なんとかまだ自殺もせず、肝臓もギリギリ無事なまま生きているが、この月日の虚しさはどうしたものか。

せめて、またお金を貯めて来年のアタマにでも、唯一の人生の逃げ場と化しているバンコク外道の旅にでも出かけようかと画策していたら、こんなニュースが。

<反政府派のデモ、混乱拡大 スワンナプーム国際空港閉鎖>

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20081126-OYT1T00100.htm?from=main3

相次ぐ不景気のニュースだけで重苦しい のに、ホントにイヤになってしまうね。

思わず、高杉晋作の辞世の句を思い出した。

おもしろき こともなき世を おもしろく

さて。そろそろ練炭の用意でもするか。いや、しないか。

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(無駄に前回からの続き)

んな感じでオカマちゃん4人に囲まれハーレム状態のまま、ビールをぐびぐびと呑んだくれる。
若い子たちは日本語も、(米軍人たちが来るはずなのに)英語もほぼ出来ないので、
数年前まで日本に在住していたママさんオカマとずっと話していたのだが、韓国の最新性事情が分かって楽しかった。

ママさんが若い頃の20年前の韓国では、女装しただけで、比喩じゃなくてホントに近所の人から石を投げられていたという。
ところが、最近は日本と同じようにオープンになってきたとのこと。

しかも、韓国の若い男の中ではゲイでもないのに、おチンチンがついたニューハーフ(オカマと言ったほうが正確だが、パッと見は女性であるような子)でないと性欲が湧かない連中が増えているという。

ホントかよ。

と思ったが、日本のAVでも「ふたなり」物とかが増えているので、必ずしもウソではないのかもしれない。
まあ、最近は何が正常なのか分からない世の中ではあるし。

そんなわけで、1時間ちょい。

そろそろ出るよと言うと、ママさんが耳打ちしてきた。

気に入った子がいたら、ホテルに連れて行っても良いのよ。

と。
そう。ここは高級クラブの店構えをとってはいるが、そこはオカマ。
連れ出しが可能な店だったのだ。

しかし、さっき1発大和魂をぶっ放したばかりだったので、丁重に次回への土産にすることを約束(?)して、店を出た。

それから、

もう1杯だけ軽く呑んでいくか。

と、人通りの少なくなった大通り添いのオープンカフェに入り、まったりウイスキーをロックで傾けた。
店の中は、ほとんど全てカップルで、独り客など俺しかいない。
人生のほとんどが独りなのは時々寂しくなるが、 しかしまあ、こういう何もない時間をチビリチビリと呑みながら過ごす時間は、とても心地よい。

ぼんやりとソウルの空気を味わいながら、路上を眺める。すると、しばらくしてプラプラと歩く背中の奇麗な女の姿が目に入った。

客にあぶれた娼婦か。

と思っていると、 その女は、千鳥足のまま道路を行き来して、やがて見えなくなった。

それから、暇を持て余し、観光ブックを取り出し、ペラペラとめくっていると、超可愛い店員が俺の観光ブックを見て、何語か話しかけてきた。

その子は中国人の留学生で、漢字が目に入って俺のことを同じ中国人だと勘違いしたらしい。

片言の英語で、短いコミュニケーションを楽しむと、なんだか癒されたので、チップを置いて店を出てホテルに帰ることにした。

ところが、帰りのタクシーを探すために歩いていたとき、さっきの娼婦らしき女がしゃがみ込んでいたのが目に入った。

気の弱さでは他の追随を許さない自信があった俺だが、珍しくその女に向かって話しかけてみた。

「Are You Alright?」

顔を上げたその女を見て、俺はしまった、と思った。

その女は美形ではあったが、女ではなく、オカマだったのだ。

いや、別にオカマでもなんでも良いのだが、こんなところにいるオカマは当然客引き。

あれよあれよ、と言うがままに、俺は、また別のオカマバーへと無駄に引っ張られていた。。

チャンチャン

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(前回から無意味に続き)

路地を1本曲がった先の路上に客待ちして立ち並んでいたのは、女であって女でない。この懐かしい(?)雰囲気。そう数多くのオカマちゃんたちが 、声を掛けながら男達を誘っていたのだ。

まあ、この地を知っている人からしたら、当然の光景なのかもしれないが、何の知識もなく訪れた身からしたら、なかなか衝撃的な光景であった。

ここはバンコクじゃなくてソウルでしょ?!

先月もバンコクで毎日オカマ狂いをしていたにもかかわらず、吸い寄せられるようにまたこんなところに呑みに来てしまうとは。。

例えるに、2泊3日で初めて“東京”に来た男が、品川に宿泊している間、たまたま一晩だけ呑みにと何の情報もなくタクシーに乗って、たどり着いた先が新宿2丁目だった、というような偶然の確率である。
俺は、

もしかしたら、前世でオカマと何か深い縁があったに違いない

というような思いにもなりながら、恐る恐るオカマちゃんたちに近づいていった。

一人のオカマちゃんが話しかけてきたので、立ち止まって様子を伺う。
なにせ、何の下調べもしてこなかったせいで、まずシステムが分からない。
日本語が通じないと思って、片言の英語で話しかけるが、ある店から出て来たママさんオカマが日本語ペラペラだったので、聞いてみると、
基本的にどの店もセット料金で、ボトル入れて25000ウォン〜(約20000円)くらいが相場なようだ。

うーむ。日本のキャバクラで呑むより高いのか。

カジノで負け続けの状態のこのときの俺は、即決出来ずに、もうちょい様子を伺うために、周囲をさらにブラブラ。

もう1本、さらに細い路地を曲がると、今度は新宿ゴールデン街のような雰囲気の飲み屋群が連なっていた。
しかし、このあたりは、中がどこもかしこも薄暗くて怪しい。
客引きもなく、観光客っぽい人間の姿も見えないので、覗く勇気もなく退却。

結局、さっき色々親切に教えてくれた日本語が達者なオカマママがいる店に入店してみることにした。
もう一度俺の顔を見たママオカマは、嬉しそうに俺を招き入れた。

入ると、店内は、カウンターとシートがあって、かなり広々。
それこそ真ん中の広々としたフロアでは何人もが踊れるくらいのスペースがある。
しかし、客はこのときわずか俺一人。

カジノ帰りだからパスポートもキャッシュカードも全部鞄に入っていたので、これ、ボッタクリだったら ヤバいな。。

と草食動物の血が騒ぎ、警戒モード。

しかし、シートに座った俺に、ママさんオカマはメニュー片手に丁寧に料金を説明してくれた。
どうやら、ぼったくりではないことは確かなようだ。

そうして、俺がビールを注文すると、暇を持て余した若いオカマたちがズラッと3人掛け寄ってきた。

うーむ。みんな背が俺より高い。。

と思っている間に、ママオカマと合わせると4人に囲まれハーレム状態。
バンコクなら速攻セクハラぶちこくのだが、バンコクのオープンな雰囲気と違うので、セクハラもしずらく、ちょっと緊張。

とりあえず、全員バットは持っているのか、と聞くと、「we have」と答えた。

「I have a dream..」

と演説したキング 牧師と同じように、彼女たちにも夢があるようだ。
そう。
竿を切って女になるというdreamが。

(酒が切れたためにさらに次回へ続く)

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(無駄に前月から続く)
んなわけで、彼女を部屋に招き入れると、備えあれば憂いなし、とばかりに持ってきていたコンドームを財布から取り出す。

財布にコンドームを入れておくのは、もうかれこれ6年前からの習慣(大人の身だしなみ)であるが、まさか本当に使用する日が来ようとは夢にも思わなかった。この旅行のために新品を買い直しておいて良かった。

このときばかりは、あまりの用意周到さに我ながら、張本勳ばりに
「あっぱれ!」
と自画自賛した。

女の子との間に金銭的な授受がなければ最高なのだが、そんな都合の良いことはキリストが今年中に復活するくらいの確率だろうから、そんなことは気にせず、目の前のコリアン娘のやや太めの身体にブイブイと大和魂を押し込んだ。

その後、コリアン娘があまりの俺の大和魂ぶりに、

「今度アナタがソウルに来たら、案内する。アナタ、個人的に電話する。オーケー?」

と聞いてきたので、ホル・ホースばりに世界中に俺を愛する女を抱えておくのは悪くない、と思い、連絡先を交換し合った。
ちなみに、1日一緒にいたかったら、500000ウォン(約40000円)ちょうだいとのことだ。。

それから、彼女を優しく、
「済んだらとっとと帰れ」
と追い返し、着替えて、今度は現在地から少し離れたシェラトンウォーカーヒルホテルの地下にある「パラダイスウォーカーヒルカジノ」に向かう。
ここは、1968年にオープンした韓国最大の規模を誇るカジノだ。

美女のウエイトレスが運ぶウイスキーをちびりちびりとやりながら、ルーレットに手を出すが、しかし、またもや、惨敗。

どうにも、勝てない。

俺は、傷口を広げないために、1万円ほどで無駄打ちをヤメ、米軍基地で賑わう梨泰院へと向かった。

顔も性格も純日本人で国内では気軽に呑みに誘える友達の一人もおらずに引き籠り続ける身でありながら、海外に行くとオープンなバーやハードロックが鳴り響くバーで、小瓶のビール片手に呑みたくなる。

たぶん、俺のお好みのバーの1軒くらいあるだろう。
そんな考えで、向かったのだ。

ところが、その梨泰院の1本脇道に入ったところで、予想外の衝撃的な光景が目に入ったのだった。

(無意味に続く)

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身の詰まる日々を癒しに、無駄に通い詰めるガールズバーで、珍しく心が温まる話を耳にした。
店長が常連のお客さんから聞いた話のまた聞きではあるが。

その中年の常連のお客が、数年来通い詰めたキャバ嬢の話だ。

一見して、人が良さそうだけど、冴えない彼。

雨の日も風の日も・・・というように、
誕生日にはプレゼント、イベントがあればせっせとお店に顔出していた。
だけれども、彼の必死の口説きには、彼女の言葉は、もうちょい待ってもうちょい待って、の日々。

彼は、必要以上にしつこくしたりすることはせず、かと言って諦めもせず、ただジッと耐え忍びながら彼女を“お客”として支え続けていた。

ところが、あるとき、そのキャバ嬢が自分の将来を彼に伝えた。

「来月、アメリカの大学に留学に行くから、もう夜の仕事からは足を洗わなきゃならないんだ」

と。

こんなに好きなのにもう会えない。。

ショックを受ける彼。
ところが、そのキャバ嬢は、最後にこんなことを口にした。

「長い間ありがとう。お礼に今夜だけは一緒に朝までいさせて」

なんと、何年もの間、どんなに口説いても、振り向いてもくれなかった愛するキャバ嬢が、長い間指名で通ってくれたお礼にと、彼と一晩限りのエッチをさせてくれたというのだ。

バックれようと思えば幾らでもバックれられる状況での、“お礼エッチ”である。

星の数以上の報われない恋の数々を、横目でチラ見してきた俺は、

世の中、そんな素敵な物語もリアルにあるんだなぁ。

と希望を抱くと同時に、

そんなことがあったら、しばらく夜のオカズには困らないだろうなぁ。

と羨ましくなるほどに、心の温まる話であった。

ViVA!!

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(小休止)

ここ最近やたら忙しくて、限界アル中なギリギリライフスタイルで、毎晩朝方まで酒飲みながらパソコンの前に向かっているのだが、仕事の合間にドパーミンダラダラな動画を発見してしまい、毎晩聞きまくっている。
まあ、もう有名なのかもしれないけど。
芸術という概念が恐ろしいほど変化していることに驚愕してしまった。
いやぁ。スゴ過ぎる。

吉幾三×Capsule×DaftPunk×BeastieBoys StarrySky - IKZOLOGIC Remix

ニコニコ動画

http://www.nicovideo.jp/watch/sm3101468
youtube
http://jp.youtube.com/watch?v=baSDFqTuIKM&feature=related

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(前回から無駄に続く)

俺は、この言葉で、このおっさんはさっきの純粋に親切なおっさんとは違うことを悟ったが、だからと言って、特にやることもなく喋り相手もいない寂しさから、しばらくおっさんの話しに乗ってみた。

おっさんの薦める店に行くことは絶対避けるつもりだったが、おっさんは、だったら今すぐこの場に女の子を連れてくるという。
日本じゃあり得ない、そんなシステムがあるのか、と思って、

幾ら必要なの?

と聞くと、150000ウォン(当時のレート=約12000円)という。

国内海外問わず10年無駄に(本当に無駄。。)夜遊びをしている俺が、この人通りの激しいソウルの町中で、殴り合いのケンカしても勝てそうなおっさんが連れて来るオススメの女の顔を見るリスクは低いと判断し、この際乗ってみた。

近くの若者向けのコーヒーショップに入って、おっさんと一緒に女の子の登場を待つ。

「私が紹介する女の子はデパートで働く素人です。
いま、韓国の女の子もお小遣い欲しい。だからアルバイトをするのです。
あなた、気に入ったらホテルに連れて行くと150000ウォン。朝まで一緒にいて観光も出来る。400000ウォンです。それでソウルの夜は寂しくない」

とさっきまで証券マンと名乗っていた顔はどこへやら、単なるポン引きと化したおっさんが必死に俺を懐柔しようとする。

訳の分からん女が来たら、このおっさん蹴飛ばしてバックレようと思っていたのだが、その後、現れた女の子は、
「あら?あなた日本人じゃないの?」
というくらいに日本っぽい女の子。

整形しまくったメチャ美形のアガシとかではなかったが、日本語も流暢だったため、たった1日で人寂しさに打ちひしがれていた俺は、ここは「bet」だ!と判断し、
「オーケー。気に入ったから、一緒にホテルへ行こう」
と口にした。

若干緊張気味だった女の子は喜んで、一緒にホテルへ向かおうとすると、おっさんは俺を呼び止めて、チップを要求してきた。

その額40000ウォン。

俺は、アホかという顔で、
「アンタにやれるのはこれだけだ」
10000ウォンだけポンと放り投げた。

それに納得しないおっさんは、しがみつかんばかりに、

「なら、20000ウォン。ダメなら、あと5000ウォンだけ!」と懇願してきたが、ダテに10年無駄に客引き相手にしてない俺は、
「また、どこかで会ったら払うよ」
と手をヒラヒラさせて、無駄金を拒否。

おっさんは、予想よりも実入りが少なかったことに相当腹が立ったようで、女の子を引き寄せてホテルに入る俺に向かって、ほとんど怒ったように、

「彼女は150000ウォンだからな!」

と叫んだ。

俺は、
「アナタ日本人、甘く見ると、損スルネ」
と口にしながら、ホテルの自分の部屋へと入ったのだった。

(無駄に続きまくる)

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そんなわけで、ソウル二日目。

せっかくの海外旅行。しかも今回わずか2泊の旅である。
朝早く起きて幾つかの街を散策しようという想いはどこへやら、
うかつにも昨夜の深酒が祟って、起きたら昼をとっくに過ぎて、時計は13時頃を差していた。

ファック!

俺は、思わず自堕落な自分を恨むが、過ぎた時間は取り戻せない。
しかも、昨晩の一人深酒でお腹はグズグズ。
トイレに約1時間も籠ることを余儀なくされ、身支度をして出かけたときには、なんと15時近くになっていた。

外に出ると、すでに西日が眩しい。

俺は、気を取り直すことも出来ず、さらには胃の調子も悪いため、とても韓国料理を食べる気にもなれず、寂れた喫茶店でコーヒーを呑んで、しばらくぼんやりした後、再びカジノへと向かっていたのだった。

今回の勝負はブラックジャック。
一時15000円ほどの資金が倍増するも、その後徐々に負けが込み、最終的には、投資資金は全額溶けて無くなってしまった。

ファック!ファック!

金融危機への対抗策とした資金倍増計画が、遅々として進まないどころか、不良債権化しそうな勢いに頭を抱えながら、昨夜同様、反省を込めて、南大門通りからホテルまでトボトボと歩いていく。

途中、放火で昨年焼失したという南大門の焼け跡を「ザマミロ」という悪意を込めて見に行こうとすると、道に迷い、屋台のおばちゃんに、
「where  is 南大門?」聞いてみた。
そのおばちゃんは指を指すだけだったが、たまたま通りかかった人の良さそうなおっさんが、
「南大門?付いて来なさい」
と道案内してくれた。

俺は、とっさに観光ブックの注意書きにある「親切そうに道案内を申し出る人物には注意」という言葉を思い出した。

油断したら最後、ぼったくりのお店に連れて行かれたり、詐欺の商品を買わされたりするに違いない。
俺は、警戒しながら、おっさんに付いていくこと約1分。

目の前に、在りし日の南大門の看板で覆われた工事中の南大門の姿が目に入った。

俺が立ち止まると、おっさんは、笑顔で「here」と口にして、そのまま去っていった。

恐れていた誘いは一切ない。俺はむしろ拍子抜けした。

え?竹島問題は?
従軍慰安婦は??
戦時中の強制労働や、日韓併合への恨みつらみは???
対馬も韓国の領土とかってクルクルパーな主張してこないの????

そんな疑問はどこへやら。そのおっさんは、本当に純粋に親切で道案内してくれただけだったようだ。

俺は朝鮮人への偏見を改め、感謝の気持ちでいっぱいになりながらも、南大門は全く見所のないものと化していることを確認したので、5秒で踵を返してホテルへと向かった。

それから歩いて5分ほど。
またしても、地図を見ながらオロオロしていると、再びスーツを来たおっさんが話しかけて来た。

「どこへ行くんですか?」

俺は、行き先を告げると、流暢な日本語で、

「わたしもその近くに向かう予定です。一緒に行きましょう」

と誘って来た。さっきの件もあったので、すっかり安心して、おっさんの後を付いて行きながら、

「おじさん、日本語どこで覚えたの?」

と尋ねると、おっさんは、

「私は証券会社に勤めていて、良く日本に行っていました。歌舞伎町はスゴいところですね」

と口にした。それから歩きながら、昨今の経済情勢の話しなども交わし、道が分かるところまで来たので、

「おじさん、ありがとう。もう分かるから、もういいですよ」

と言うと、おじさんは、なぜかさらに付いてくる。

そして、こう口にした、

「アナタ、一人旅寂しいでしょ。私の友達の女の子、紹介するよ」

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今回、ソウルの旅の目的の第一はカジノ。

韓国には、幾つかの外国人専用の合法カジノがある。
ラスベガスやマカオと比べれば小粒なようだが、やれることは基本的には変わらない。

金融危機に端を発する世界恐慌が起こったときのために、手元資金を増やしておこう、という賢い選択である。

普段ギャンブルの類いは一切やらないが、イザとなったときの自分の強運に掛けたわけである。

明洞駅側に取ったホテルが金額の割に意外にショボくてがっかりしたが、まずは、軽く街を散策。

30分ほど街をプラプラすると、時間はもう19時。小腹が空いたので粥を食べて腹ごしらえをし、いざヒルトンホテルのカジノ「セブンラック」へ。

ヒルトンという響きが日本で最も似合う男として、初カジノにチャレンジだ。

中は一目で全貌が見えるような、大きめのゲームセンター程度の大きさ。

しかし、経験もないし、勝手が分からずウロウロ。

場内は、すでに混雑していて、大体が満席状態。
客の大半は日本人か中国人。日本語も飛び交っている。

ただ、始め方が分からず、「exchange」と書かれた窓口に行くと、「チップはディーラーから買ってくれ」と言われるが、元来引き蘢りで、 too shy shy boy の俺は、盛り上がるテーブルに割って入って、「初めてなんですけど」と説明してもらう勇気がなかなか湧いてこない。

しかも、お目当てのブラックジャックなどは、10000W(約900円)ベットの台は満杯。空いているのは、1ゲーム100000W(約9000円)からの台オンリー。

ダブルやスピリットを考慮したら、最小ベットで1ゲーム200000Wが必要ということだ。
リアルカイジと言われた俺だが、初日から、この金額での勝負は気が引ける。

そうして初めての雰囲気に呑まれたせいもあり、場内を小1時間も、オロオロとして、ようやく小さな勇気を振り絞って空きがあったミニマムベット2500Wのルーレット台へ座る。

初心者とバレるのは格好悪いので、粗相がないように、黙ってテーブルに100000W(約9000円)分の札を置くと、ディーラーがチップに変えてくれた。
勝負そのものより、ようやくゲームに参加出来た自分にホッとしたのだった。

しかし、ゲームは当初一進一退を繰り返すも、最終的には全額呑まれる。

このルーレットの反省は、テーブルの端に座ると、真ん中のルーレット側の箇所に手が届かないということだ。(0とか00とか、そっちのほう)

ディラーにお願いするなり、手前の客にベットをお願いするなりすればいいのだが、引き籠りとtoo shy shy boy癖が抜けきれず、延々手が届く20〜36あたりに、こだわったようにベットし続けてしまった。

今日のところは、まあこんなところで許してやろう。

俺はそう思って、2駅分ほど散策がてら歩きながらホテルへと向かう。

携帯の時計を見ると、もう23時。
なんだかんだと、カジノには長居していたわけだ。
帰り道、どこか呑むところをと思って探すが、明洞近郊は、あまり飲み屋がやってない。

一箇所、経験から来る嗅覚でキャバクラ街のようなところを見つけるが、店の看板が全部ハングル語で日本人観光客の姿も見受けられなかったため、残念ながら入る勇気はなかった。

仕方なく、ホテル近くの現地人向けのバーに入る。

良い歳したおっさんが一人背中を丸めてウイスキーを片手に観光ブックをむさぼり読んでいると、店員が哀れみの視線を度々投げかけてきたので、肩身の狭い思いになり、それと同時に急激な寂しさが襲ってきた。

ああ。俺は何をやっているのだろう。。
こんな年にもなって恋人どころか、旅の道連れになってくれるような友達すら作ってこれなかった。
俺なんて、こんな世界で誰からも必要とされていないんだ。。
ああ。哀しい。ああ、切ない。

そんな遅れてきた思春期のような想いになったので、ひたすら知り合いの女の子にメールをしてみた。(ほとんどキャバ嬢)

ところが。何分待っても、誰からも返事がない。。

時間はただ過ぎていく。

大きな虚しさとともに。。

(合掌)

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※今回、特にウィットに富んだアメリカンジョーク(?)をふんだんに使用しておりますので、ジョークに慣れていない方は、下記ご遠慮下さい。

ああ。旅に出たい。
30過ぎてから急に放浪したくなる日々。
仕事が若干暇だと言うのもあるが(これは問題だが)、先月バンコクに行ったばかりにもかかわらず、再びHISに駆け込んだ。

先月散々散財してしまったので、今回、あまり金がない。
俺は、近場で安く済むお隣のソウルに行ってみることにした。

出発は3日後。
急と言えば急だが、宗主国の人間として、いたわるべき属国の民の姿を一度は見ておこうという、慈愛の気持ちが湧いて溢れ出て来たのだ。

ところが、HISの窓口のお姉さんが異なことを口にした。

「パスポートの残存期間が6ヶ月必要ですが、大丈夫ですか?」

えっ?!パスポート?
だって、ソウルは、併合して日本国でしょ?!パスポートいらないじゃん!

と驚いたが、お姉さんは、
「韓国はもう日本じゃないんですよ」
と優しく教えてくれた。

なんと60数年前に独立して、いまや日本の統治下にはないと言うのだ。

知らなかった。。

まあ、でも、ここまで来たら、“旧宗主国”として行ってみようと、気持ちを改めて、3日後の10月15日。

成田から、俺は韓国は仁川空港へと向かった。

バンコクなら、もう庭みたいなもんだから地図も必要ないけど、さすがに初めての地は若干緊張するなぁ。
と思いながらも、何にも現地に情報を調べてこなかったもので、空港からソウル中心街への行き方も分からなかった。
そこで、歩いている若い空港職員に日本語で尋ねてみると、

「すいません。インフォメーションに聞いてください」

と英語で返された。

えっ?!
この国は厳格な日本人教師によって、みんな日本語教えられてるんじゃないの?!

再び驚いた。
俺は、旧宗主国の人間として、若干の腹正しさを感じながらも、ようやくリムジンバスというもので向かうのが最良の手段と言うことを突き止め、9000ウォン(約800円)のチケットを購入し、バスに乗り込んだ。

バスは約1時間かけてソウルに向かう。そのバスの車窓からの眺めは、もう先進国のそれだ。

俺は、さすが日本が統治した国だ、と誇らしげに思っていると、後ろのほうで日本人のおばさんたちの声が聞こえてきた。

「ヨン様に早く会いたい!」「韓流スターたちのグッズを集めなきゃ」とか意味不明な言葉を口にしている。

“ヨン様”とは、一体何だ?

と思って尋ねると、

おばさん方は、韓国の芸能人だと教えてくれた。

何やら、そのヨン様のために過去にいっぱいお金を使って、また今回の旅でも使う予定なのだという。

良く理解出来なかったが、俺は、たぶんこんなことだろうと思って、

分かります。俺もタイや東南アジアを旅するときは、街の物乞いたちに小銭を投げ歩いてますから。そういうことですよね。

と同意を求めると、おばさんたちは、怒りに満ちた顔で、

ヨン様をバカにしてるんじゃないわよ!

と、それぞれ語気を強めて抗議の言葉を口にしてきた。

しまった!
この人たちが“キチガイ”だと言うことに気が付いた俺は、慌てて、気を落ち着かせるために、謝罪の言葉を口にした。

君子危うきに近寄らず、である。

しばらくして、バスがソウルの中心街に着き、あたりを見渡すと、町中がハングル語という、古代文明のような字で埋め尽くされている。
日本語どころか漢字すら見当たらないので、何を意味しているのか分からない。

せっかく教育したのに、日本の統治がなくなったせいで、文化が退化してしまったのかと、俺は落胆のため息を付いた。

その後、ホテルに向かい、チェックインすると、そこの従業員たちの名札の苗字が皆、「金」という字であることに気が付く。
全員“金さん”だったら紛らわしくて仕方がない。

何故、もっと創氏改名を徹底させなかったのだろうか。

俺は、尊敬していた過去の日本人たちが、意外に抜けていた事実に、憤慨やるせない気持ちで、ソウルの初日を向かえたのであった。

(以下、無駄に続く。文体は戻ります)

キャバクラ独眼鉄 http://www.kyabadoku.com 無意味な人生相談、承ります。 無駄な送り先は下記まで。 dokugante@mail.goo.ne.jp