2008-02-29
俺に似たモテるヤツ。
少し前の話だが、書き損ねたキャバクラでの事件があったので書いておく。
とある店で、初めて会ったはずのキャバ嬢が席に着くなり、俺の顔をマジマジと見てきた。
俺の顔をマジマジと見る子は初めてではないが、今までの経験上、俺の顔をマジマジと見る子の特徴は二つしかない。
キモイと思って見るか、憐れみの瞳で見るかのどっちかがだ。
ところが、その子の視線は違っていた。
なんというか、非常に興味深く、俺に商品価値があるような、どちらかというと値踏みするかのような視線だ。
引かれてナンボ、蔑まれてナンボの人生を送り続けていた俺に、初対面の女性がこんな視線を送ってきたことは過去一度もない。
俺は思わず、その理由を聞いた。
すると、その子は意味不明な言葉を口にした。
「橋本さん・・・じゃないですよね??」
へ??
「いや、違うけど。それが何か?」
そう答えると、その子は、
「そうですよね。いや、凄く似てたもので」
とちょっと残念そうに答えた。
良く分からないが、俺がその“橋本さん”に似ているらしい。
あまり、“誰かに似ている”と言われたことのない俺は、その間違えるほど似ている“橋本さん”に興味を抱き、彼のことを聞き出した。
すると、彼女が言うには、専門学校の先輩で非常に頼りになり、なんと数年前、その彼女が憧れていた存在だというのだ。
俺に似ていながら、女性の憧れの存在だと?!
馬鹿にされ、気持ち悪がられた経験は星の数ながら、“女性の憧れの存在”というポジション取りなど経験のない俺は焦った。
しかし、これは一世一代のチャンスかもしれない。
彼女の“昔の憧れの存在”というポジションを奪い取れば、“奇跡的”な展開もありうるのではないか??
そこで、俺は“橋本さん”になりきるという作戦に出た。
ありったけの冗談と一応は30数年生きている経験から得ている愉快で含蓄のある会話で全力で楽しませた。
ケタケタ本気で楽しそうに笑う彼女。
彼女が言うには、俺と橋本さんは、ルックスだけでなく、話し振りも、一見冷めたようなテンションも、あらゆることが似ているという。
「違う人だよ」と言っているのに、その嬢は会話の最中に何度も「本当に橋本さんじゃないよね??」と聞き返すくらいに興味津々、憧れの橋本さんに近いようだ。
イける!
俺は思った。
人生3度だけあるうちの2度目のチャンスがやってきた。
そう確信した俺は、数年ぶりに女性を誘ってみた。
「今度食事にでも行かない?」
すると、その言葉を聞いた嬢は急に顔を背け、がっかりした表情で答えた。
「あ~あ。やっぱり違うよ。橋本さんだったら、もっと強引に連れてってくれたもん」
相手の様子を伺うような疑問系が興ざめだったらしい。
つーか、俺の人生。
女性関係に関してはもう目も当てられないような悲惨な人生を送っている。
おかげで、圧倒的に卑屈になった。
なぜなら、間違ってでも気があると思われたら嫌われると思っているからだ。(過去の人生ではほとんどそうだった)
そんな卑屈な俺と比較して、
俺にウリ二つのルックスながら、
女性の憧れの存在で、女に有無を言わせず強引に誘う性格になる
とは、一体どういうことなんだ?!
羨ましい。。
いつも、「せめて嫌われないように」とビクビクして生きている俺には想像すら出来ない。。
人生を変わって欲しい。。
俺に似たその彼に、本気で嫉妬せずにはいられなかった。

















