忙しい。。
こんなこと口にしたって仕方がないのに、思わず口にしてしまうほど、ここ最近ばかりは本気で忙しい。。
もともと年収100万円以下の売れないクリエーターをやっていたせいか、そのときの負け犬根性が抜けきれないので仕事を断ることが出来ない。
そうして、デタラメに仕事を受けてしまった結果、最近のスケジュールを見ると目眩がする。
しかし、こんな廃人寸前のアル中にも仕事を回してくれる度量のあるクライアントの期待は裏切れないと思って、ついつい受注して奮起してしまうのだ。
そんなこんなで、ストレス発散というわけでもないが、夜少しでも時間があると、ここ最近はガールズバーなるところに通っている。
キャバクラみたいな面倒な駆け引きは一切なく、女の子ともプライベートでのやりとりは一切なし。人生末期症状のアル中三十路には、このくらいのシステムが居心地が良い。
それに、家から歩いて行けるところにあるので、夜中に晩酌がてら1セット呑みに行って、戻ってコテッと寝てしまうには丁度良い。
さらに料金も、1セット4000円で飲み放題。指名も女の子のドリンコ営業も基本的にはないので、ヘタな1杯800円でチャージを取られるバーにでも行くよりは、アル中の俺には、女の子と会話が出来ることを除いても、よっぽど安上がりに済むのだ。
んな感じで、先々週なんて週5日くらい通って、仕事の打ち合わせ場所にも使っていたら、ある店の女の子が向こうのほうから話しかけて来た。
なんでも、俺が出版関係の仕事も一部でしていることを聞きつけて、「自分は小説家になりたいんです!」と熱くその思いを語り出したのだ。
その子は、まだ21歳という屈託のない可愛い笑顔を浮かべる女の子。
あんまり興味はなかったが、
「どんな小説書いてるの?」
と尋ねてあげると、
「私は林真理子さんが大好きなんで、恋愛小説を書いています!今は文学賞に応募するために、不倫の物語を書いてます」
とのこと。
へえ。林真理子かぁ。。
益々興味がなくなったが、一度開いたその子の口は止まらず、聞いてもないのに、
「彼氏が女子大生と不倫してしまったのを知った主人公の女が、高校時代の幼なじみと偶然再会して、ダブル不倫になってしまうというストーリーなんですけど、どうですか??」
と聞いてきたので、インディアン並みにウソが付けない俺は、
「それはつまらなそうだねぇ。。」
と思わず答えてしまった。
ちょっと、がっかりするその子。
飲み屋にしても、うかつ過ぎる発言をした俺は、フォローを兼ねて幾つか聞いてみた。
「彼氏はいるの?」
「います」
「浮気はしてる?」
「しません」
「仕事はここだけ?」
「パン屋さんで販売員やってます」
「本当に小説家になりたいの?」
「なりたいです!」
それらを聞いた俺は、一言だけ、彼女に本気でアドバイスした。
「よし。じゃあ、今すぐこのぬるいガールズバーとパン屋を辞めて、明日からソープで働け」
しかし、彼女は、「えーなんですですかぁ〜?」「意味分からないですよ〜!」
という言葉を繰り返しただけだった。
そのあと、彼女は、俺のマイミクになろうとしたり、連絡先を聞いてこようとしたり、果ては一緒に仕事をしたがったりしたが、それらの要望を全て断り、
ただ俺は、
「キミが働いてくれたら、俺が最初の客になる」
とだけしか答えることが出来なかった。
うーん、無理か。残念。

















