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先日。

知人と飲み歩いていた勢いで、久しぶりにキャバクラ街に足を向けると、客引きの交渉に釣られて、70分5000円の某店に入店。

最初についた子は、決してカワイイとは言えなかったが、愛嬌のある子で、それなりに話が盛り上がった。

ドリンコもつい1杯奢ってしまうなどして、「次があったら指名してもいいかな」なんて雰囲気で連絡先を交換して、次の子にチェンジ。

ところが次についた2人目が、ルックスもなかなか良い上に、席についた時点で相当に酔っ払っててメチャエロエロテンション。

酔いに任せて、セクキャバでもないのに抱きついてきたりするもんだから、こっちもお返しとばかりに尻をさわさわ。嫌がるどころか、さらに摺り寄せてくるような淫乱ぶりを見せ付けてきたので、思わず「場内」の一言!

ひゃっはーーー!

と、 無駄にキャバクラの楽しさを味わっていると、携帯のメールが鳴った。

知らないアドレスだったので、開封してみると、最初に付いた女の子からだ。

お礼メールにしては早いな、と思って読むと、
「さっきすごく楽しかったから、指名して欲しいな(は~と)」というような文面。控え室からメールしてきた模様。

しかし、こちらはすでに場内指名中。

残念でした。

と、ここは諦めてもらおうと思い、 返信せずにいると、隣にいる淫乱娘は指名が被って別のテーブルに。

無駄にこちらのテンションも妙な上がり方をしていたので、しばらく他の子とトークして気分を落ち着かせるか、と思ったとき、なんとヘルプで付いたのは最初についた女の子。

こちらは、メールが届いたのを無視した挙句、すでに別な子を場内指名済みなのにだ。

さっきとは違って女の子のほうも浮かないテンションで、気まずい雰囲気。

そりゃ彼女からしたら、あんなメールを送った前後に、即効別な子を指名されてたんだから、プライドを削がれて当然だ。

別にこちらが悪いことをしたわけではないのに、なぜか気を使うハメになり、楽しい気分が台無しとなった。

というか、他にも女の子がいるのに、あまりに付け回しが下手過ぎ!

どんなキャバクラも所詮は女の子次第。

とは思うが、良い子がいても店のダメさ加減で客足をぶち壊すことはあるんじゃないかね。

ホントに頼むよ!

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今まで、俺はマスクというものをほとんどしたことがない。

せっかくのイケメンが半分も隠れてしまうのを勿体ないと思っているのもあるが、ウイルスという見えない存在を怖がれるほど繊細でない、というのが主たる理由だ。

しかし、ニュースを見ていて、今回の新型インフルエンザはちょっと怖くなった。
劇症型ではないとはいえ、この爆発的な広がりは、さすがに自分も感染してしまうのではないか。
そして、イケメン故に悲劇のヒーローよろしく、稀に見る致命傷患者の一人になってしまうのではないか。

そんな恐怖にかられ、仕事に向かう道すがら、マスクを購入しようと、自宅近くの駅周辺の薬局へ。

ところが、4軒回って、一つのマスクもない!

念のため、全ての店舗で、
「マスクはありませんか?」
と聞いてはみたが、店員たちは、一様にシニカルな笑顔で、
「売り切れです」
の言葉を投げて来る。

その言葉は、「アンタ、今さら遅いよ」という気持ちの現れのようにも思えたが、たぶん、俺のイケメンぶりに嫉妬していただけだろう。

他にも降りた駅近くで見かけた薬局にも立ち寄ったが、ここでも「完売です」の一言。

オーマイガーー!!
本気で手に入らない!

やむを得ず、手ぶらで会社へ。
社のメンバーたちが豚インフルに感染しているんじゃないかと戦々恐々としながらも終業を迎えると、
帰り道、わざと2駅手前の駅などで降りて、徒歩で自宅に向かう事にした。

理由は、イケメンを歩行者に見せつけるためではなく、コンビニでマスクを買い求めるため。

ところが、自宅までの間に、コンビニ8、9軒全部回ったが、ものの見事に一つのマスクもない!!

俺は焦った。

これが、もし劇症型の鳥インフルのパンデミックだったらどうなることだろう。

マスク一つ買えないようだと、買いそびれたものは、“死”を待つのみではないか。

というか、さすがに国民も冷静ではいられないだろう。
確実に暴動かパニックの類いは起きるのではないか。

そう国の未来を憂いつつ、歩き続けたが、とうとうマスクを一つも手に入れる事が出来ずに、家の近くまでたどり着いてしまった。

俺ほどのイケメンであっても、手に入らぬものもあるのか。

世の無常を感じながらも、諦めて焼酎を煽って酔っ払ってしまおうと、家の真下のコンビニへ。

ところが、灯台下暗し。ついでにチェックしてみた日用品コーナーに、たった一つだけ残ったマスクがあったのを発見した!

おおおおお!!!

俺はすぐさま手を伸ばした。
が、
手にして良く見ると、それが子供用のマスクだということに気が付いた。

俺は一瞬、子供用でもいいから買ってしまおうかと思ったが、静かにその考えを改めた。

俺の代わりに、子供の一人が助かってくれれば良い。

そう思ったのだ。

×××

今まで気が付かなかったが、俺は、激流に流される子供を見かけたら、間違いなく自分の命を賭して川に飛び込む男なのだろう。そうに違いない。
決して、子供用の、サイズの合わないマスクをして、周囲から失笑を浴びている自分の姿をイメージしたからではない。

本当のイケメンとは、俺のように内面まで透き通った心の持ち主のことをいうのだ。
誰か、俺と数年ぶりにデートをしてくれる女の子はいないものだろうかーーー。

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