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自分を引いたキャッチを見つけた彼だったが、2時間歩き回ったおかげで、すっかり酔いの醒めた頭で考えた。

果たして、このままキャッチに詰め寄ったとして、キャッチが素直に業者のことを口を割るだろうか?

もしも、「お前なんか会ったこともない」と言われたら、その時点で水掛け論になって埒が明かないのではないか。

そう考えた彼は、絶妙な作戦に打って出たのだ。

まずは怖いから歌舞伎町交番へと向かい、警官を呼ぶ。

警官は、「またこの手の通報か」という顔ながら、市民からの通報を見過ごすことは出来ずに、Tとともにキャッチのいるところに。

そして、キャッチを目の前にして、警官に対して、こう言ったのだ。

「ぼったくりに連れていった上に、お金を受け取ったのはこの人です」

×××

もちろん、ウソである。

直接カネを受け取るキャッチなどいない。

しかし、このTの策略に、キャッチは思わず、「金受け取ったのは俺じゃねえだろ!」と、Tを業者に引いたことまでは認めてしまったのだ。

こうなると、警官としては、「キャッチが金のやりとり関与するはずねえだろ」とたぶん陰では思いながらも、事情を聞かないわけにはいかない。

Tとキャッチは、警官に引き連れられて交番へと連れて行かれたのだという。

そこで、1時間近く押し問答。

「金を受け取ったのは俺じゃねえ!」

キャッチはそれを繰り返すが(事実だからまあ当然)、警官は、「だったらお前が紹介した業者に連絡して呼べ」となる。

キャッチと業者がどんな関係かまでは分からないが、まあぼったくりのヘルスなんて、まともな渡世の輩が仕切っているわけはない。

キャッチとしては、自分の身を守るためにも絶対に口を割るわけにはいかない。

いい加減疲れてきた警官は、

「キミも売春罪で逮捕されるリスクもあるけど、それでも被害届を出して彼を告訴するかい?」

とTに踏み絵を与えた。

特段法律に詳しいわけでもないTは、その言葉に内心ビビりながらも、キャッチの一転したおどおどした雰囲気から、後一押しで落ちるほうに賭け(実際はこの状況でTのほうが逮捕されることなんてほぼありえない)、

「僕は捕まってもいいので、彼を訴えてください」

とカマを掛けた。

これがチェックメイトの言葉で、

客引きは、それを耳にするなり、「分かった!金は返すからそれで許してくれ!」と財布から18000円を取り出し、Tに差し出したという。キャッチの自腹である。

金を返せば済むのかという気もするが、そこは歌舞伎町。

警官も、御役御免とばかりに、それで手打ちを進めてきた。

Tのほうも、とりあえずは金を取り戻せば良いと、それでキャッチを開放。

最後は、警官に、「キャッチに付いていくほうも悪いんだからね」と説教をされながら、(報復がないように)歌舞伎町の外まで見送られて、バトルを終えたという。

この話は、後日、1時間近くにも渡る回想録だったのだが、正直、思わず痺れたTの戦略であった。

歌舞伎町では、「キャッチに付いていかない」は第一だが、万が一ボッタくられて、許せないときは、是非参考にして欲しい戦略ではある。

ただ、キャッチの怒号は結構半端なかったようで、そこそこの肝は据えておく必要はあるようだが・・・。

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腐れ縁の呑み友達の話しだが、先日なかなか面白い話を聞いたので書いておく。

Tと言うその友人とは、しばしば酒を呑む機会がある。最近呑み仲間が激減する中でも、未だにキャバクラにも連れ立って行く。

しかも、俺がキャバには足繁く通えど、風俗はイマイチ気が乗らない人間であるのと違って、彼はキャバもいける口なら、風俗のほうも精一杯たしなむ男である。

そんなTと先日歌舞伎町で呑んだ。

このとき俺は仕事の合間だったこともあって、ビール2杯だけ引っ掛けて、そのまま家路に向かってしまった。

Tからすれば、この後キャバクラまわるつもりだったらしく、物足りない気分で、歌舞伎町を一人でプラプラ。

その後、何を思ったか客引きに連れられてヘルスへ遊びに行ったのだという。

ところが、このヘルス。

デリヘルの形式を取っていて、レンタルルームへと案内され、その店前で業者に18000円払ったものの、 実はぼったくりのタケノコ剥ぎ。

部屋に入っても、追加料金を払わないと何も出来ない仕組みだったというのだ。

これだけなら平凡な話しなのだが、昨今「歌舞伎町の客引きには付いて行かない」という夜遊びをたしなむ人間には基本的なことである掟が忘れ去られているかの如く、ぼったくりのレンタルルームの待ち合い室には、“ぼったくられ待ち”の客で溢れていたという。

部屋からは怒号。受付では客と店員が揉めている。

気弱な学生風情は、部屋に入る前から「帰ります」と行って店を出て行く始末。

Tも、やられたと感じたようだが、とりあえず部屋までは行くことに。

そこで来るは、きっちり期待に沿ったかのような熟女。

部屋に入るなり、「お兄さん、服を脱ぐなら5000円だよ」の一言。

抜くまでには幾ら掛かるか分からない。大体、ばばあのヌードなど見たくもないTはそこで部屋を出たという。

店の入り口には、何人かの同じ被害者が、口々に業者のことを罵倒し合っている。

話しに入ると、 意気投合し、一緒に業者に問いつめてやろうということに。

ただ、受付に言っても、「ウチは部屋を貸しているだけ」の繰り返しなので、埒が空かないと、 そこで客引きを捕まえることになったという。

特徴を聞くと、 全員同じ客引きにやられているようだ。

それはそれで間抜けも甚だしいが、 全員散って、歌舞伎町を歩き回る。

しかし、自分が引かれた場所にはその客引きはいなかったという。

他の騙され仲間たちも同様だった。

一人諦め、二人諦めし、とうとうT一人になったのだが、Tは妙な正義感というか復讐心で諦めず、2時間歌舞伎町を歩き回って、とうとうその客引きを見つけることに成功した。

時は夜中の2時過ぎ。

彼の稀に見る闘争が始まったのである ———。

(続く)

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告知だが、 

今発売のコアマガジン「実話BUBKAタブー」という雑誌に、インタビューされている。

 「キャバ嬢とSEXする方法」

というイカれた、じゃなくてイカした企画での取材だ。

この企画で俺にインタビューを取りに来たライターと編集はなかなか見所がある。褒めてあげたい。

百戦錬磨の実体験に基づいたアドバイスの数々を披露しているので、是非買って読んで欲しい。

にしても。

実は、ここに書いてない雑誌媒体からも取材依頼があって、インタビューに答えている。

デフレ化でキャバクラなんて、もっとも非効率な遊びの一種だと思うが、最近はブームが再来でもしているのだろうか?

2010-11-15

赤提灯

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数年間にわたり、独眼鉄オフ会の主戦場だった湯島駅近くの赤提灯。

ずいぶん前に閉鎖が決まったのは知っていたが、先日目の前を通るとビルごとなくなっていてびっくり。

跡地は無機質な駐車場に変貌し、他人事とはいえ小さくない喪失感を抱いてしまった。

が、先日久々に仲町通りを歩くと、新しい店舗が場所を変えてまもなくオープンすることが判明!

良心的な店なので、是非たくさんのお客さんが訪れて欲しいものだ。

最近はデフレが進んで290円とか爆安な居酒屋も急増しており、単純な価格競争では負けてしまうが、こういった昔ながらの雰囲気を残す店舗には頑張って生き残ってもらいたい。

2010-11-13

不条理

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先日。

行きつけのビデオボックスで自慰をこなした後、一息しようとドトールに入った。

そこで、我慢汁が滴ることに気づき、トイレに行くと、なんとファックなことに誰か鍵も掛けずにクソを垂れているのを目撃。

男女兼用のトイレだったので、思わずギョッとする。

が、入っていたのはどこぞの男の若者。

男は、

ぎゃッ!

って悲鳴を浴びせて慌ててドアを閉めた。

Shit!!

俺も見たくて見たわけではないのだが、「スイマセン!!」と言ってドアから離れた。 

しかし、ビビったのは俺のほうも、だ。

驚きととともに息を呑み、その後、なんだか良くないものを見たと思って、しばらく心臓がバクバク。

なんで、俺のほうが緊張せなあかんねん!

しかも、トイレに入るために、そいつが出てくるのを待って、顔を合わせるのも気まずいと思い、我慢汁を止めるのを諦めて、自分のテーブルに戻ることに。

微妙に不条理な思いを抱えて、パンツを濡らしながらコーヒーを飲んだのだった。。

2010-11-05

切羽詰まり

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先日。

かれこれ1年は行っていないキャバの子から久々にメールが入った。

以前、知人の一人が気に入って何度か一緒に顔を出していた店で会い、惰性で場内指名してあげたせいか、たまーに営業メールが来ていたのだが、今年は1度も顔を出していない。メールもほとんど返してなかったら、さすがに営業の連絡も止まり、メール自体数ヶ月ぶりの感じである。

題名には「相談」とあった。

マジな相談なら、ちょっとは気にかけてあげようかとも思い、本文に目を通す。

すると、そこには、

「今週の金曜日、すごい暇だったの。そしたら、終わったあとのミーティングで黒服に、金曜日に指名されないのは水商売向いてないからこれ以上店にいてもらいたくないって責められて泣いちゃった(涙)。お願い! 私を指名しないでもいいから、店に来てもらえないかな?」

というような内容が書かれていた。

これって、相談か?

結局は単なる営業じゃないか。。

つーか、「指名しないでもいい」って、ホントに指名しないでいったらどうなるのだろう?

同情を引くための営業なのだろうけど、確かその子はもう25歳を超えていたと思う。

そのメール自体、本当かどうか分からないが、本当にそれが事実なら、黒服のいう通りに、向いてないから辞めたほうがいいんぢゃないかとしか思えない。

長引くデフレと不況でキャバクラ嬢もかなり厳しいようだが、客の懐も厳しい。なおかつ俺の懐はギラギラに落としすぎて、輪をかけてもっと厳しい。

せめて、もうちょい賢い営業メールくらい送ってきて欲しいものだ。

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少し前の話しだが、キャバクラにも「ビギナーズラック」というものがあることを身に染みた事件があった。

俺も決して金銭的に余裕のある人間ではないが、30歳をすぎて毎月の家賃の支払いにすら苦しむ友人Mと呑みに行ったときのことだ。

ちょっと、仕事のフォローをしてもらった礼もあったので、居酒屋とキャバクラ1軒おごってやろうと、某という歌舞伎町の安キャバに連れていった。

可愛いかどうかはともかく、なかなかノリの良い子たちが大勢いる店で、人生で2度目というキャバクラの席に座ったM。

無駄にこなれて薄味のトークで場をもたせるだけの俺に対して、酒が入って気が大きくなってテンションが高いM。

Mの良いところでもあり悪いところでもある、普段のバカ正直さをキャバクラでも全開に出す。少しも格好付ける気もなく、

金はないから、今日は先輩のおごりなんだー!
ドリンクを奢る権利は俺にはないから、キミたちは無料の水を飲んでくれ!

なんてことも大声で叫んで、おねだりドリンクも拒否。

しかし、単にケチと思われるよりは良かったのかもしれない。Mの席についた女の子たちは不満顔になったりしながらも、割と楽しそうに座っている。

そして、3人目かには、こんな場末のキャバクラで働いていても大丈夫?というような妙な色気のある30歳前後のキャバ嬢がMの隣につくと、何故か気に入られたようだ。

ドリンクもおごらないし、金もないから場内指名もしない!

と断言して、「ケチ!バカ!」とののしられながらも、

今日は、人生で最初で最後のキャバクラだから、明日死ぬつもりで楽しませてくれー

というようなノリに、二人とも意気投合して、連絡先を交換していた。

そうこうしているうちに1セット終了の時間だ。

楽しい時間はアッという間である。

Mのことを思えば延長の選択肢もあったが、俺があんま乗り切れなかったので、まあ帰りますかと帰ることに。

店を出ると、夜中の25時を回っていた。

電車ねえから、ゴールデン街ででも呑みなおすかと、とぼとぼとおっさん二人で歌舞伎町から歩いていると、Mの携帯が鳴った。

それは、さきほどの店でMと意気投合していた、キャバ嬢だった。

単なる営業電話かと思ったら、その子は早上がりで店を出るから、今から飲もうと、誘ってきたのだ。

断る理由のないM。

これは一体どういうことなんっすかね?

と、俺に聞いて来る。

さあ、知らんけど、俺はタクシーで帰るから二人で楽しんでくれば?

と言うが、

待ってください!じゃあ、3人で楽しみましょう!3Pしましょう!

と訳の分からないことを言ってくる。Mはビジュアル的には決してモテるタイプではないが、何か“事件”の匂いを感じ取っていたのだろう。

「嬢のほうからアフターを申し込んでくるということは、俺たちのようなブサ面にとっては、とてつもなく稀有な出来事である」と伝えると、微妙に緊張した様子でもあった。

とりあえずゴールデン街の入り口にある立ち飲み屋に入ってしばらく飲むと、酔っ払ってきたそのキャバ嬢は痴女のようにMに絡みつき出した。

傍目からも怪しい雰囲気だ。

小1時間くらい飲んだところで、俺の出番がこれ以上はないことを悟り、二人を置いて帰ることに。

すると、Mが再び

待ってください!

と呼び止めてきた。

もう良いだろう、と言うと、Mは、耳元に口を近づけて小さな声で、

ホテル代を貸してください。

と口にした。

こ、こいつ!

俺は思った。

初キャバクラ(厳密には初ではないがちゃんとしたキャバクラは初とのこと)
無指名
キャバ代も奢り

で、キャバ嬢のほうからアフターに誘ってきて、
そのままホテルへゴールイン

そんな奇跡ってありえるのか??

俺が10年通ってもありえないことを、彼はこれから一晩にして成し遂げてしまおうとしている。

強烈な嫉妬心も覚えたが、俺もそこは男である。

せめて態度だけでも卑屈を改めないと、今後俺の身に幸運が舞い込む機会も失うことになるのではないか。

そう思い、無理やり作ったニセモノの笑顔でMに2万円ほど渡して、帰宅の途についた。

×××

翌日。

彼に事の顛末をたずねると、

彼は、ただひたすら疲れたような声で報告してきた。

すると、あの後、彼は、
カラオケボックスで延々クンニさせられたけど、挿入は絶対ダメ、キスもダメ、手でもシゴいてくれないので、イケもせずに帰ることになったという。

“クンニ限定アフター”

確かにSっぽい女ではあったが、まさかのおあずけ状態であったというのだ。

しかも、後日このMと再び会うと、あの日以来ノドの痛みが止まらないから病院に行くという。

ノドクラミジアあたりをもらってしまったのかもしれない。

Mは、「もうキャバクラは懲り懲りです」と言ったが、これは贅沢な反省なのかそうではないのか。

ビギナーズラックというには、不運な意味でも「当たり」を引いてしまったともいえるが、おそらく万のウチにも一か二あるかないかのキャバ嬢のタイプを、最初の1セットで引き当てたというのは、ある意味では、羨ましいとも思ったりもしたのである---。

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